およそ1ヶ月くらい前に、
システム面の相談に乗っているクライアントさんhttp://www.curtainshop.co.jp/
の番頭さんが突如入院し、
そして先週その番頭さんが復帰をされました。
 
その一連のことについて思ったことをまとめておきたいと思います。
 


 
このクライアントさん、ECサイトとしてはかなり古参のサイトで、
ほとんどの考察や構築を社内で賄ってらっしゃいます。
デザイン面では、それはやはり専業のデザイナに比べれば劣る部分も多いですが、
それでも確実な売上をつくっっていらっしゃる実力ある会社さんだと思います。
(私は専門性が高すぎてプログラマでなければ対応できない部分をお手伝いしています。)
 
このサイト、いたるところに、
社長(篠田さん)と番頭さん(柴田さん)の顔写真が使われ、
「なんでも電話してくださいね!」
というスタンスです。
一部の方は「えーせっかく電子化で省力化してるのに」とお思いになるかもしれません。
 
こちらの会社の商材はカーテンです。
カーテンって実は数万におよぶ生地と、
数十通りの縫製の仕方(ヒダの深さなど)と
そして、カーテンを利用する建物自体の色や建て方の組み合わせから選ぶ必要があり、
たとえば、目的の色があったとしても、
それに適合するカーテンの数は数万通りにも及んでしまいます。
 
これをネット上で、お客様の責任において、
「ちゃんと選んでね」というやり方では、
お店としては無責任で、お客様にとっては無理が生まれるという考えのもと、
積極的な「One2One」「Face2Face」のやり方を実践されています。
 


こんなクレールさんなので、当然ながらファンが沢山いらっしゃいます。
前述のようなやり方でご商売をされているのであれば、
来店動機こそ「カーテン」という「モノ」ですが、
購買動機は篠田さんや柴田さんという「人」とその「サービス」です。
(実際に販売されている価格は多少の値引きこそあれ、
 他社に比べて決して安くない。というか、むしろ高いくらいです)
 
「この人なら」「この対応なら」という理由が積み重なって買っているとすれば、
次買う時はすでにお客様の脳の中に刻まれた検討リストの中の
「筆頭」に書き入れられている可能性が非常に高くなるのは
想像に難くないです。
 


 
そんなのわかってるよ
って思うかもしれませんが、重要なのは

「この人なら」
「この対応なら」
という2つの理由・動機がそれぞれORの条件でなくて
ANDの条件でなくてはいけないということです。
 
今回、柴田さんが入院された際、
また柴田さんが復帰された際、
お客様の対応係が交代しなくてはならないという
オペレーション上の問題から、メールマガジンで報告をされていたようです。
 
それを御覧になったお客様からは、
お問い合わせのついでという形ではありますが、
「お大事に」とか「復帰されてよかった!」という声を
お客様から沢山頂いたそうです。
 
私の思うに、対応面のサービスだけを重視した展開であれば、
このようなことは起きなかったと思います。
人の面のサービスを考えていないすれば、
お客様にとってはサービス提供をしている一企業のスタッフにすぎないですから。
 


 
私がマーケティングの師匠と仰ぐ
小阪裕司先生・藤村正宏先生ご両者とも、
リピーターは顧客満足度では獲得できないとおっしゃっています。
おそらくそれは正しいです。
 
両先生ともこの文脈においては
単なる反復購買をリピーターとは捉えていません。
おそらく、この時代単なる反復購買はリピーターと捉えない方が
きっといいとおもいます。
 
なぜかというと、
どの企業もこだわって生産をしてこだわってサービス展開をされているから。
顧客満足度を数値化するのは難しいですが、
仮に数値化できるとしたら、同じ水準の顧客満足は
比較的他の場所でも得られやすい時代だからです。
 
なので、「ファン = リピーター」と捉えたほうが、自然な感じがします。
ファンというのはスポーツや芸能人のファンと同様に
「顧客満足」では測れない何かがあります。
(逆に言えば顧客満足は、これまでは「解」であったのに対して、
 顧客満足が必要条件になったとも考えられます)
 


 
「お客様応対」だけでファン化ができないか?ということを考えると、
おそらく「お客様応対」だけでファンをつくることは可能でしょう。
ですが、「誰が」という側面を取り払って、「お客様応対」を売りにしようと思うと、
その対応は「企業」としての「お客様応対」でなければなりません。
 
同じ人が対応していたとしても、均質化されたサービスを提供しなくてはならず、
今回のように、いつも対応している人が緊急の事態で抜けてしまったとき、
(あるいは新人が入った時もそうでしょう)
サービス対応が異なってしまうので、クレームの原因になりかねません。
 


 
他方、人の顔を出して、「担当はわたくし柴田です」ということをちゃんと出していれば、
無意識のうちのお客さまにとっては
一企業のなかの柴田さんと取引をしているように感じるようになると思います。
 
前述のように、不測の事態で、担当が抜けてしまった時、
「誰が」という前提があれば、
お客様にとっても「企業対人」でなく「人対人」の対話にすんなり入っていただけます。

この前提があればこその
「お大事に」とか「おめでとうございます」
という言葉なんですが、
この言葉は、販促面の意味だけにとどまらないと思います。
このクライアントさんの場合で言えば、
確実に柴田さんのモチベーションにつながっているはずです。
 


 
お客様個人を知るというやり方は大変多く見るやり方ですが、
「私達をしってもらう」いや「私を知ってもらう」というやり方は
あまり見ません。
 
「モノよりコトへ」という考え方は
多くの人が提唱している考えですが、
「コト」というのは、やはり人が介在しないと生まれない概念でもあると思うのです。
お客様も人ならば、企業も人
というやり方は、これからの時代にあっているのでは。
 
もちろん企業規模であったり、スタッフの素質というところは
懸念材料にになってくるのではありますが。
 
そんな風にかんじた次第です。