先日これから始まるWEBサービスの販促部分のうちあわせにて
気軽に「コンセプト」という言葉を使ってしまって、
混乱を呼んだという話。


そもそもコンセプトとは

多くの辞書では「概念」と訳されています。
そうですね。おそらく仕事など普段の生活において使ってしまいがちな「コンセプト」という言葉の意味とは少し違う気がしますね。
 

「このレストランは70年代の雰囲気を再現することをコンセプトとし…」
なんて話をしてしまいがちですが、
直接的に翻訳するとすれば
「このレストランは70年代の雰囲気を再現することを概念とし…」
ってことになり、
要するになんのこっちゃです。
 
一般的には「一貫して柱とされる基本的な主題」という意味で使われることが多いですが、
このように意味をちゃんと言葉にしてみても、
いまいち、その正体ははっきりしません。
 
「コンセプトをはっきりさせましょう」などと
わたしたちは言ってしまいがちですが、
では一体何をはっきりさせてよいのか、余計訳がわからなくなるわけです。
それくらいコンセプトと言う言葉を簡単につかいつつも、
そもそもコンセプトというものをわからずに使っているか。ということです。
 


言葉はちゃんとはっきりとした意味で使おう

ブランディングコンサルタント江上隆夫さんの著書『無印良品の「あれ」は決して安くないのになぜ飛ぶように売れるのか?』から引用すると、商業上であったりビジネス上で利用する「コンセプト」の意味は「目的を達成するための意図を集約した原理・原則」と解説されています。
それをどうやってつくり上げるかは置いておいて、かなり明確な言葉になりました。「一種のルール」と捉えやすくなります。
 
「コンセプト」というものがどういうものであるか、について問う意図は、この記事にはありません。
 
今回この記事の主題にしたいのは、当たり前に使ってしまっている「わかりづらい言葉」を使っていないかっていう話です。
 
先日の打ち合わせでは、私がコンセプトと言う言葉を簡単に使ってしまったがゆえに、クライアントさんは「そのWEBサービスが提供すべきサービスと、その世界観」と捉え、私は「そのWEBサービスを提供し続けるにあたり、指標とする考え方」と捉えて、行き違いが発生しました。多分、わたしとクライアント、各々がとらえた「コンセプト」はどちらが間違っている、ということはないはずです。
 
周りくどい言い方をしてでも「そのWEBサービスを提供し続けるにあたり、指標とする考え方を明文化してください」と申し上げれば、捉え方の齟齬によって、打ち合わせの時間をたくさん使うというようなことはなかったと思います。


言葉は世界を変える

最近で言えば、アメリカのオバマ大統領が大統領選で「Yes! We can!」という言葉を使って政権をとりました。現時点では全人類の敵とされているアドルフ・ヒトラーもことばによって、思想や立場を合法的に総統にまでのしあげました。
 
こういう話をすると、すごく大きな話のように思うかもしれませんが、言葉は比較的に簡単にその人の取り巻く状況をかえてしまうことができます。悪気のないひとことで、友人と険悪になったりということも、誤解を恐れずにいえば、「言葉の面」だけを捉えれば、オバマ大統領の例も大きな差はないのかもしれません。明確にわかり易い言葉をつかはないと、意思疎通どころか、その仕事のゴールも見えないのではないかと思いました。
 
わたしたちは、仕事をするとき思わず、周りに流されて「コンセプト」とか「スキーム」とか、私のいるWEBの世界でいえば「ブラウザ」とか「サイト」とかという言葉を使ってしまいがちですが、いずれも、誰もが共通して分かる言葉かというと、そうでもないと思います。
 
私がよく引き合いに出す言葉としては「デフォルト」。
わたしはWEBの世界にちかいところにいますが、学歴で見ると、金融と経済に近いところで育ってきたので「初期値」という意味の「デフォルト」には、未だ違和感があります。「債務不履行」の方に頭がまわってしまうのです。
 
すべてのシーンにおいてまわりくどく利用すべきでないのは確かですが、どのような言葉設計でビジネスを進めるのかを考えることは、その仕事における、自分自身の精神的な安定にもつながりそうです。(実際のところ、今回のコンセプトの意味の齟齬は「不安」を増大させた感じはありました)
 


言葉勉強しよう!

日本語の使い方が間違ってるだの、正しいだのという話をしがちなんですが、そういう話は、私自身は、(極端に失礼な例を除いて)そんなに大きな問題にはならないと思っていますが、毎日の生活の中で、普段使っている言葉がどのように「言い換えられるか」はアンテナを張っていると良いと思います。
 
前述にて引用したブランディングコンサルタント江上隆夫さんの著書は、今回の(私のなかでの)「コンセプト騒動」に際して急場で購入した書籍であります(恥ずかしながら)。言葉にアンテナを張っていればこんなことには…
 


WEBでも活用できる

わたしはWEBの世界に近い立場で仕事をしており、文章を考えたりなどすることは比較的多いです。WEBサイトの評価は、現在ではGoogle社が下す評価でほぼほぼ決まります。Google社が下す評価の大部分は「言葉とそのつながり」のようです。とかく、デザインとか技術に目が行きがちですが、やっぱり言葉が大前提でないと、それらは手段でしかなさそうです。
 
もっといろいろな表現方法であったり、単刀直入な表現方法であったりを自然につかえるようにならねば!とも思いました。
 
とさ。という日記です。(日記っぽくないですが。)
 
現場からは以上です。