どうもどうも。ラーメンアドベントカレンダー2014年12月23日担当の
名古屋在住のマーケティング野郎、かつ、WEBプログラマの春芳堂の伊藤と申す。
ふだんは「きよっち」とか呼ばれてる野郎です。
 


名古屋のラーメン

名古屋でラーメンと言えば

  • 味仙発祥といわれる台湾ラーメン
  • 名古屋人にとっては「おやつ」のすがきや
  • 最近有名になった、萬珍軒かいすいが二大巨頭の卵とじラーメン

あたりが、全国で知られる潮流だろう。
 
が、しかし、これらと同じあるいはそれを越える歴史をもちながら、あまり全国的には知られていない味がある。
 
それが「好来系」と呼ばれる「薬膳ラーメン」だ。
1959年に名古屋市千種区に開業「好来」というラーメン店が源流のラーメンで、現在では、好来にて修行を積んだラーメン店から、修業を経ずに独学で好来系の味を出しているラーメン店、好来系の味をベースに新たな展開をする店など、愛知県内には好来系の店は、かなりの数存在する。
 
今回紹介するのはその中で2005年開業。好来系の中では唯一オフィス街に店を構える「蔘好来」という店を紹介しよう。
 


蔘好来

店構え
こんな店構え。名古屋市丸の内のオフィス街の中にあり、お昼時は結構並ぶ。
 
店内はカウンターのみ
店内はカウンターのみ
 
うんちく
店内には高々とうんちくが書かれている(これも好来系の特徴)

札
好来系の店の一部では注文をすると交換札が渡されるのも特徴。
今回は「竹」を注文。好来系のメニューは「松」「竹」「梅」「寿」を基本とする。松が普通のラーメン。竹がメンマ多し。梅がチャーシュー多し。「寿」はメンマとチャーシュー多し。となっている。通常の「松竹梅」とは並びが違うことに注意。
 


驚く事なかれ「竹」

竹
これが「竹」の姿である。これでもかというほどのメンマだ。麺が見えないほど。
 
麺
好来系では、麺は中太のやや短めの麺を使っている店が多い。奇をてらった感のない麺で、昔からあるタイプの麺である。スープはご覧のとおりかなりあっさり系で、油脂もほとんどない。
 
「薬膳」と聞くと、生薬を使ったラーメンのような気がしてしまうが、好来系のそれは、スープを飲み干すことを前提として、体にやさしい、玉ねぎやニンニクなどの根菜から出汁をとったスープのことなのだ。
 
とはいえ、普段濃い目のラーメンを食べている人にとっては「塩分しか感じない」ほどのあっさり具合なので、初めて好来系を訪れる人で、普段は濃い目を食べている人は、返しの味を強めにした「濃い目味」のオーダーができることをおぼえているとよい。

 


スープは味をかえつつ、余すところなく飲み干すべし

ルール
好来系のラーメンには楽しみ方のルールがある。どのお店にも、おおよそこのようなことが書かれた札が置かれている。絶対に守らなければならないようなものではないが、こうしたほうが「美味しく体に良い」というサジェストだ。
 
とは、いえ、前述のとおり、好来系の味は非常にさっぱりとしている。そこで、最後までこのラーメンを楽しむために、好来系の店では必ずといっていいほど2つのものが置かれている。
 
ごまラー油
ひとつがごまの香り高いラー油。油脂分のほとんどない好来系のスープでは、その香りの広がりが、そのまま「味」へと変化し、味に深みを与えてくれる。こちらも最近はやりのラー油ほどの奇をてらった感じはほとんどしないが、それでなければいけないとも思う。
 
高麗人参入り酢
そしてもうひとつが「高麗人参入り酢」だ。ここで、ようやく薬膳っぽいものが出てきた。正直私の味覚では、高麗人参の味がどのようなものであるかまではわからないのだが、体に良いことは確かだ。
 
まずラー油を加え、味に深みを加えて、麺も少なくなった頃に、酢を加えてさわやかにスープを飲み干す。根菜の旨味と健康効果をラーメンで食べる。これが好来系ということだ。
 
今回もスープまで全部食べ尽くして「ごちそうさま」
 


その他の「好来系」

前述のとおり、好来系を謳う店はかなりの数が愛知県内にある。
実は私が一番通っている好来系は、名古屋市中村区にある「拉ノ刻」だ。こちらの店では、まぜそばを出したり、従来の好来系にはない、油脂分を多めにした(といっても普通のラーメンくらい)「塩」を出したりする、好来系の中では「改革派」のお店だ。だが、こじんまりとした店で、交通の便がやや悪い店なので、今回は全国の人に好来系を召し上がっていただきたく、オフィス街にある、わたしが二番目に通う好来系の蔘好来を紹介した。
来年のアドベントカレンダーでは「拉ノ刻」を紹介したい。


その他の「薬膳」

ここまで「好来系好来系」となんども言ってしまったが、その他に薬膳ラーメンはないのだろうか。
実は、ある。名古屋の薬膳の二大巨頭の片方と言って良いだろう、名古屋市西区にある「万楽」だ。
あっさり系の好来系に対して、しっかり味系の万楽といったところだろうか。
 
万楽系は豚骨鶏ガラ野菜果物の味を、しっかりと強火で炊いて味を引き出す手法のスープで、まったりとした味わい。麺は光沢がありチュルッとシコシコという、全てにおいて好来系と対をなす潮流だ。万楽の開業は1985年と好来ほどの歴史はなく、好来系店の数ほどはないが、万楽の流れをくむ店の数は多い。
 
名古屋市西区にある臺大も○○系といわれるような大きな流れではないが、非常にうまい。もともとは万楽の弟子筋の店で修行をしていたと聞くが、万楽系の味を継がず、丸鶏と根菜をつかった新たな薬膳系ラーメンを創りだして、人気を博している。
 


名古屋は薬膳ラーメン大国

このように二大巨頭の潮流を軸に、名古屋は薬膳ラーメンの大国である。
系統に属さない店でも独自の薬膳ラーメンを売り出している店も相当数ある。
美味しく体によいラーメン。ぜひ召し上がってみてはいかがだろうか。